

「幸せな働き方の創造」「新たな挑戦」

宮城県の仙台東部工業団地に拠点を構えるパワープラス。
建築、建設機械のメンテナンスや修繕、自動車塗装など、鉄鋼を扱う技術を活かした事業を展開している。
しかし、2025年3月新たに飲食事業「鶴代そば」をオープンさせる。
異業種への挑戦を決めた背景には、代表の松浦さんの「幸せな労働者を増やしたい」という信念があった。
本記事では、松浦さんが歩んできた道のりと、これからの挑戦について話を聞いた。
異業種からの挑戦——「幸せな働き方」を求めて
もともと整備士としてキャリアをスタートし、個人事業主として独立。
その後、建設機械の修繕やトラックの塗装を手がけるパワープラスを設立した松浦さん。
彼が仕事をする上で大切にしているのは、「人がワクワクして働ける環境をつくること」だ
「以前働いていた工場で退職者が相次ぎ人手不足で仕事が回らなくなった。そこで、どうしたらこの会社で働き続けてくれるのか真剣に考えるようになった。」
パワープラスでは、長く一緒に働くことで人と組織が成長することをめざしている。
鉄鋼に関わる仕事は、技術の習得に時間がかかり、じっくりと取り組むことでしかスキルが身に付かない。
「自分自身、鉄鋼の技術を身につけるのに10年かかりました。でも、だからこそ、一緒に働く人たちにも時間をかけて成長してもらいたい。仕事を通じて、人としての魅力を高めてもらえたら嬉しいですね。」
そんな松浦さんが、新たに飲食業に挑戦することを決めたのは、また別の理由があった。
「諦める覚悟」があるからこそ、新しい挑戦ができる
松浦さんは、新しいことを始めるときには必ず「諦める覚悟」を持つという。
「何かを始めるときって、必ずリスクがありますよね。でも、『失敗するかもしれない』と最初に覚悟しておくと、やるべきことが明確になって、意外とブレずに進めるんです。」
そば屋の開業も同じ考え方だった。
「最初は、飲食業はまったくの未経験。でも、どうせやるなら、ただお店を出すだけじゃなく、できるだけ多くの人に喜んでもらいたい。そば好きの人、働く人、地域の人——みんなが気軽に立ち寄れる場所にしたかったんです。」
そば屋の開業を決めた背景には、「忙しい現場の人たちに、美味しくて手軽な食事を提供したい」という想いもあった。
「工場で働いていると、ゆっくり食事をとる時間がないことも多い。だったら、さっと食べられて、でもちゃんと美味しくて、仕事の合間のちょっとした楽しみになるような店をつくりたいと思ったんです。」
こうした想いから、2025年3月、「鶴代そば」をオープンさせる。
先駆けてお弁当の販売もスタートし、注文すればテイクアウトのそばも提供できる体制を整えるとのことだ。
「良い仕事」は、良い人との出会いから生まれる
松浦さんは、「人との出会いを大切にすることが、良い仕事につながる」と話す。
「仕事って、人から人へとつながっていくものなんです。誰かといい関係を築いていれば、その人が仕事を紹介してくれることもあるし、一緒に何か新しいことを始めるチャンスも生まれます。」
実際、パワープラスの仕事の多くは、松浦さんが築いた信頼関係の中から生まれている。
「ただお金のために働くんじゃなくて、お互いに信頼できる関係をつくることが大事。そうすると、自然と仕事が回ってくるんですよね。」
この考え方は、新しい事業を始めるときにも大きな意味を持つ。
「そば屋の開業も、人とのつながりがあったからこそ実現できたこと。一人でやろうと思ったら難しかったかもしれないけど、人に恵まれたおかげでここまで来れました。」
未来の夢——「楽しく暮らす老人ホーム」をつくる
松浦さんには、もう一つの夢がある。
それは、「車好きの仲間が集まる老人ホームをつくること」。
「年をとったら、気心の知れた仲間と、好きなことをして暮らしたい。贅沢はしなくていい。でも、車やバイクをいじったり、美味しいものを食べたり、そんな風に過ごせたら最高ですよね。」
このビジョンは、「楽しく働くこと」と地続きになっている。
「仕事も人生も、結局は『楽しくやる』ことが大事だと思うんです。楽しくなければ続かないし、稼げなければ維持もできない。だからこそ、楽しく稼ぐことを考えていきたいですね。」
地域に根ざし、人とともに成長する企業へ
「鶴代そば」のオープンを皮切りに、松浦さんの挑戦はまだ続く。
「この店があることで、少しでも地域の暮らしが豊かになってほしい。工業団地が活気づけば、働く人たちの元気にもつながる。そんな場所にしていきたいですね。」
人を大切にし、地域と共に成長するパワープラス。
その未来には、まだまだ多くの可能性が広がっている。
▶︎次回予告:4月には鶴代そばオープン後のインタビューを追いかけ取材でお届けします!お楽しみに!
企業情報
宮城県仙台市若林区鶴代町6-3