職業辞典　02営業 - 代理店営業

【 　代理店営業　 】

企業がサービスや製品を販売する方法として、販売代理店と契約を結んで代理販売してもらう方法もあります。

その販売代理店を開拓したり、代理店の売上を向上させるためにバックアップを行うポジションが「代理店営業」という職種です。
自社商材やサービスを販売してくれる代理店に対して営業フォローすることで、自社の利益アップにつなげることが役割です。
そのため、一般的な売り込みではなく、代理店への商品説明や販促ツールの提供をし、自社商品をたくさん販売してもらえるような環境や関係づくりをしているのです。

代理店営業はさまざまな業界で見られる営業手法ですが、特にIT業界や金融業界で多く見られます。代理店事業をしている多くは、ベンチャー企業や個人事業で知名度がそれほどありません。そこで大手メーカーなどの代理店となり、その看板を掲げて営業活動をすることで安定的な成績を上げやすくなります。事業を立ち上げた直後でも商材を確保することができ、安定的なマージンがもらえることが代理店の大きなメリットとなります。

代理店営業の仕事内容は、主に3つあります。

代理店の新規開拓

代理店営業をおこなう際は、自社のサービスを販売してくれる代理店を探さなければなりません。 また、自社から新しいサービスが開発された際にも新しいサービスに適した代理店を探すこととなります。 代理店候補に自社から連絡を取ったり、募集サイトで代理店からの応募を受け付けたりします。 そして、自社のサービスを販売したいという代理店候補と面談をおこない、パートナーとなる代理店を決めるといった流れです。

代理店への商品説明

自社の営業マンが代理店の担当者を訪問して、自社商品・サービスの特徴や強みを説明します。 自社の営業マンが講師となり、研修を通して知識を提供することもあります。必要であれば、営業トークの進め方など営業に関するコンサルティングもおこない、代理店の営業活動をサポートします。

代理店の営業に同行

代理店が顧客を訪問する際に同行することもあります。 自社サービスの特徴や魅力を正しく顧客に伝えているか確認することが目的です。 同行することによって、販売活動の方法を代理店が理解し、代理店の今後の営業活動が成果につながりやすくなり、自社の利益にもつながって来ます。

代理店営業の種類

代理店は大きく「取次代理店」「再販代理店」「OEM」の3種類に分けられます。

取次代理店とは、契約の締結などはメーカーに任せ、自身は製品やサービスの紹介のみを担当します。契約が成立すると、代理店は一定の割合の手数料を受け取ることができます。

再販代理店とは、製品の紹介から契約の締結まですべてのプロセスを代理店が担います。メーカーから製品を購入した価格と顧客に販売した価格の差額で利益を出すことになります。

OEMとは、メーカーの製品やサービスを代理店のブランドとして販売する形態で、再販代理店と同様すべてのプロセスを代理店側が担当し、利益についても基本的には再販代理店と同様です。

代理店営業は性質上、その仕組みを利用するのに適した業界がいくつか挙げられます。 その主なものは、スマートフォン・パソコンを利用するためのインターネット回線やソフトウェアを取り扱う「通信業界」 「製造業会」も、代理店営業によって成り立っている部分が多いと言えるでしょう。製造業界で取り扱われている商材はOA機器・化粧品・健康食品など様々です。

「保険業界」の代理店は複数社と代理店契約を結んでいる場合が多く、顧客は1つの店舗を訪れるだけで複数の候補から比較検討して気に入った保険に入ることが出来るメリットがあります。保険業界は特に販売元と代理店の関係性が重要になる世界であると言えるでしょう。